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飲食店営業許可証の取り方【完全攻略】必要書類と手続きの流れを徹底解説!

飲食店営業許可証の取り方【完全攻略】必要書類と手続きの流れを徹底解説!

「自分のお店を持ちたい」という夢に向かって第一歩を踏み出そうとしているあなたへ。もしくは、大切なお店の営業許可証の更新を控えているオーナー様へ。
「申請って、何から手をつければいいんだろう...」「保健所での手続きって、なんだか難しそう...」「費用は一体いくらかかるのか、見当もつかない」

特に初めての開業準備では、たくさんの書類や聞き慣れない言葉を前に、不安や疑問が次々と湧いてくるのではないでしょうか。ですが、飲食店の営業許可証の取得は、一つひとつのステップをきちんと理解して準備すれば決して難しいものではありません。この記事では、飲食店の営業許可を取るために必要な知識を提供します。

申請の流れはもちろん、費用や期間の目安、食品衛生責任者や防火管理者といった資格のこと、そして見落としがちな更新の注意点まで、あなたの疑問を解消するための情報を詰め込みました。読み終える頃には、きっと「これなら自分でもできそうだ」と、安心して開業準備を進めるための具体的な道筋が見えているはずです。

そもそも「飲食店営業許可証」はなぜ必要なの?

お店を始めるにあたり、当たり前のように耳にする「営業許可証」ですが、そもそもなぜこれが絶対に必要なのでしょうか。

飲食店営業許可証とは、一言でいえば「お客様に安全な食を提供できるお店である」という公的な証明書です。私たちが普段、外で食事をするとき、そのお店が清潔で、安全な食材を扱っていると信じて利用していますよね。その信頼を担保するのが、この許可証の役割なのです。

この許可証は、各自治体の保健所が、食品衛生法に基づいて定めた厳しい基準をクリアした店舗にのみ交付されます。具体的には、厨房の設備や衛生管理体制、水の安全性などがチェックされます。つまり、許可証を持たずに営業することは、お客様の健康を危険にさらす可能性のある行為と見なされ、法律で固く禁じられているのです。

取得後も、お店には常に「食品衛生責任者」を置くことが義務付けられるなど、継続的な衛生管理が求められます。これは、一度きりの審査で終わりではなく、日々の運営においても安全への意識を持ち続ける必要がある、ということを意味しています。

このように、営業許可証は単なる手続き上の一枚の紙ではありません。あなたのお店がお客様からの信頼を得て、長く愛されるための、最も基本的で最も大切な土台となるものなのです。

あなたのお店はどれ?営業許可証の種類と必須条件

営業許可証と一括りに言っても、実はいくつかの種類があり、開業するお店の形態によって求められる条件も少しずつ異なります。ここでは、あなたの夢の実現に欠かせない、基本的な条件について確認していきましょう。

お店の信頼を守る「食品衛生責任者」の役割

営業許可を申請する上で、避けては通れないのが「食品衛生責任者」の設置です。これは、各店舗に必ず1名置かなければならない、食の安全を守るリーダーのような存在です。

主な役割は、調理場の衛生管理が正しく行われているかをチェックし、スタッフに衛生教育を行うこと。食中毒などの事故を防ぎ、お客様に安心して食事を楽しんでもらうための、まさに「お店の信頼の要」と言えるでしょう。

「資格を取るのは大変そう...」と感じるかもしれませんが、心配はいりません。栄養士や調理師などの資格をお持ちでない場合でも、各自治体が開催する「食品衛生責任者養成講習会」を受講すれば、1日で取得することが可能です。講習では、食中毒予防の知識や正しい手洗い方法、関連する法律など、飲食店の運営に不可欠な知識を学びます。この講習を修了した際に受け取る「修了証」が、許可申請の際に必要となります。

お客様の命を守る「防火管理者」の役割

もう一つ、お店の規模によっては必要になるのが「防火管理者」です。これは、火災による被害を防ぐための専門家で、お店の収容人数が30人以上(従業員含む)の場合に選任が義務付けられています。

防火管理者の役割は、消防計画の作成、消火器や避難経路の管理、そして従業員への避難訓練の実施など、万が一の火災に備えることであり、お客様と従業員の命を守る、非常に重要なポジションです。

こちらも資格が必要となり、日本防火・防災協会などが実施する講習を受けることで取得できます。お店の面積によって「甲種」と「乙種」の2種類があり、どちらが必要かはお店の規模によって決まりますので、事前に所轄の消防署に確認しておくと安心です。

これで迷わない!営業許可証取得までの具体的な流れ

これで迷わない!営業許可証取得までの具体的な流れ

さて、必要な資格について理解が深まったところで、いよいよ営業許可証を取得するための具体的なステップを見ていきましょう。全体の流れを把握しておけば、計画的に、落ち着いて準備を進めることができます。

ステップ1:まずは保健所へ「事前相談」

物件の契約や内装工事を始める前に、まず行うべき最も重要なことがあります。それは、店舗の図面を持って、管轄の保健所に「事前相談」に行くことです。

「まだ何も決まっていないのに、相談に行くのは早すぎない?」と思われるかもしれません。しかし、この段階での相談が、後の手戻りを防ぎ、結果的に時間と費用の節約につながるのです。

保健所では、計画しているお店のレイアウトが、法律で定められた施設基準(例えば、シンクの数や手洗い場の位置、厨房の床の材質など)を満たしているかを専門家の視点でチェックしてくれます。もし基準に合わない点があれば、この時点で修正案を教えてもらえるため、無駄な工事を防ぐことができます。相談は無料ですので、ぜひ積極的に活用してください。

ステップ2:必要書類を揃えて「営業許可申請」

事前相談で図面のOKが出たら、次はいよいよ申請書類の準備です。不備なくスムーズに提出できるよう、一つひとつ確認していきましょう。

一般的に必要となる書類は以下の通りです。

  • 営業許可申請書: 保健所の窓口やウェブサイトで入手できます。
  • 営業設備の大要・配置図: お店の厨房や客席のレイアウトがわかる図面です。
  • 食品衛生責任者の資格を証明するもの: 養成講習会の修了証などですね。
  • (貯水槽や井戸水を利用する場合)水質検査成績書: 水の安全性を証明する書類です。
  • (法人の場合)登記事項証明書

これらの書類を記入する際は、もちろん正確さが第一です。特に店舗の所在地や申請者の情報は、公的な書類と一致している必要があります。図面も、誰が見てもわかるように丁寧に作成しましょう。もし書き方に不安があれば、保健所の担当者に質問してみても良いですね。

ステップ3:保健所の担当者による「施設検査」

申請書類が無事に受理されると、保健所の担当者と日程を調整し、お店の「施設検査」が行われます。これは、申請された図面通りに設備が整えられているか、実際に現地で確認する検査です。

検査当日は、申請者本人か、お店の構造をよく理解している代理人の立ち会いが必要です。担当者は、申請図面と照らし合わせながら、厨房のシンクの数やサイズ、手洗い設備、換気扇、冷蔵庫の温度計の設置などを細かくチェックしていきます。

ここで重要なのは、もし何か不備を指摘されたとしても、慌てず冷静に対応することです。指摘された箇所を改善すれば、再検査を受けることができます。誠実な対応を心がけ、改善の意思をしっかり伝えましょう。事前相談の内容を忠実に守って工事を進めていれば、まず問題なくクリアできるはずです。

ステップ4:「営業許可証」の交付

施設検査に無事合格すると、いよいよ「営業許可証」が交付されます。交付までには通常1週間から10日ほどかかります。この許可証を受け取った瞬間から、晴れてあなたのお店の営業が法的に認められることになります。これまでの苦労が報われる、感動的な瞬間ですね。

交付された許可証は、お客様の見やすい場所に掲示することが義務付けられています。これは、あなたのお店が衛生基準を満たした安心できる場所であることの証です。誇りを持って、店内に掲げましょう。

気になる費用と期間は?計画的に進めるためには

開業準備を進める上で、資金計画は非常に重要です。「営業許可を取るのに、結局いくらかかるの?」「申請してからどれくらいで許可が下りるの?」といった疑問は、誰もが気になるところだと思います。ここで、目安となる費用と期間について解説します。

申請費用の目安

営業許可の申請手数料は、自治体やお店の業態によって異なりますが、一般的な飲食店の新規申請であれば、おおよそ 16,000円から19,000円程度 が目安となります。これはあくまで申請そのものにかかる費用です。

これに加えて、先ほどお話しした「食品衛生責任者」や「防火管理者」の資格取得のための講習受講料(それぞれ1万円前後)も必要になります。また、井戸水などを使用する場合は水質検査の費用も別途かかります。これらの諸経費も忘れずに予算に組み込んでおくことが大切です。事前に保健所のウェブサイトで正確な金額を確認し、余裕を持った資金計画を立てましょう。

取得までの期間とその流れ

「できるだけ早くオープンしたい!」という気持ちはよくわかります。営業許可の取得までにかかる期間は、準備の進め方によって大きく変わってきます。

一般的には、保健所に事前相談をしてから、書類を提出し、施設検査を経て許可証が交付されるまで、およそ2週間から1ヶ月 を見ておくと良いでしょう。

ただし、これはあくまでスムーズに進んだ場合の目安です。例えば、内装工事が長引いたり、施設検査で不備が見つかり再検査になったりすると、その分期間は延びてしまいます。また、食品衛生責任者の資格をまだ取得していない場合は、講習会の開催日程によっては、さらに時間がかかることも考えられます。

オープン日から逆算して、できるだけ早めに動き出すことが、余裕を持った開業準備の鍵となります。特に、内装業者との打ち合わせと並行して保健所への相談を進めるなど、複数のタスクを計画的に管理していくことが成功への近道です。

深夜営業やキッチンカーの場合は?特別な許可申請も知っておこう

深夜営業やキッチンカーの場合は?特別な許可申請も知っておこう

お店のコンセプトによっては、通常の飲食店営業許可に加えて、別の届出や許可が必要になるケースがあります。代表的な2つのケースについて、ここで触れておきましょう。

深夜にお酒を提供するお店の届出

バーや居酒屋など、深夜0時以降もお酒をメインに提供するお店を開きたい場合は、保健所の営業許可とは別に、警察署へ「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」 を提出する必要があります。

これは風営法に基づく手続きで、「接待行為」を伴わない純粋な飲食の提供が対象となります。店舗の図面や住民票など、保健所への申請とは異なる書類も求められます。また、お店の場所が住居専用地域でないことや、客室の内部に見通しを妨げる設備がないことなど、細かな要件があります。こちらも、まずは管轄の警察署の生活安全課に事前相談に行くことを強くお勧めします。

移動型店舗(キッチンカーなど)の営業許可

最近人気のキッチンカーで開業したい、という方も多いのではないでしょうか。移動型店舗の場合、固定店舗とは異なる特有の許可基準が設けられています。

キッチンカーの営業許可は、主に出店する地域の保健所で取得します。車両内に規定の給排水タンクや手洗い設備、十分な収納スペースなどを備えていることが求められます。提供できるメニューが制限される場合もあるため、どのような料理を提供したいかを明確にした上で、保健所に相談することが重要です。複数の地域で営業したい場合は、それぞれの自治体で許可が必要になるケースもあるため、事業計画に合わせて事前に確認しておきましょう。

うっかり失効は絶対にNG!営業許可証の更新、忘れていませんか?

無事に営業許可証を取得し、お店が軌道に乗った後も、忘れてはならない大切な手続きがあります。それが「営業許可証の更新」です。

更新手続きの流れと必要書類

飲食店営業許可証には、有効期間があります。この期間は自治体によって異なりますが、一般的には 5年から8 ごとです。有効期間が満了する前に、必ず更新手続きを行わなければなりません。

通常、期限が近づくと保健所から更新のお知らせが届きますが、万が一に備え、ご自身で許可証に記載されている有効期限をしっかりと管理しておくことが重要です。カレンダーや手帳に書き込んでおくなど、忘れない工夫をしましょう。

更新手続きは、期限の1ヶ月前頃から可能です。新規申請時と同様に、申請書や現在の食品衛生責任者証などを提出し、場合によっては再度、施設の立ち入り検査が行われることもあります。手数料も新規申請時よりは安いものの、改めて必要になります。

更新忘れが招く、あまりにも大きなリスク

もし、うっかり更新を忘れてしまったらどうなるのでしょうか。これは、単なる手続きの遅れでは済みません。有効期限を1日でも過ぎてしまうと、その許可は失効し、無許可営業 となってしまいます。

無許可営業には厳しい罰則が科せられるだけでなく、何よりもお店の信用を根底から揺るがす事態となります。これまで築き上げてきたお客様からの信頼を、一瞬で失ってしまうことにもなりかねません。お店を長く守り続けていくためにも、更新手続きは最優先事項として、細心の注意を払って管理してください。

まとめ:安心して開業準備を進めるために

まとめ:安心して開業準備を進めるために

ここまで、飲食店の営業許可証を取得するための道のりを、順を追って詳しく解説してきました。

事前相談から始まり、資格の準備、書類の作成、施設検査、そして大切な更新手続きまで、やるべきことは確かにたくさんあります。しかし、一つひとつのステップの意味を理解し、計画的に準備を進めていけば、必ず乗り越えることができます。

何より大切なのは、一人で抱え込まず、わからないことは専門家である保健所の担当者に早めに相談することです。彼らは、あなたの夢を安全な形で実現するための、頼れるパートナーです。

この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、夢へ向かう確かな一歩を踏み出すためのお役に立てたなら、これほど嬉しいことはありません。あなたのお店が、たくさんの笑顔で溢れる素敵な場所になることを、心から応援しています。

許可証取得はスタートライン!本当の勝負「売上づくり」の準備はできていますか?

開業準備を進めるにあたって、デリバリー戦略や魅力的なメニュー開発の検討も必要不可欠ですよね。

WannaEatでは、営業許可証の登録サポートから、日々の運用(売上づくり)まで、お店の状況に合わせてお手伝いすることが可能です。

「申請って、何から手をつければいいんだろう...「保健所での手続きって、なんだか難しそう...」

そんなときは、ぜひお気軽にご相談ください。あなたのお店に最適な方法を一緒に考えていきます。

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